ココロはいつも休暇中



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水戸街道ロングウォーク・中編

さて...松戸市に入ったとたんデンジャラス度数を上げた水戸街道6号線。

トラックに弾かれまいと、進行方向に集中しまくって歩くも、視界の端にはこのようなのどかな風景がチラチラと...。

ええぃ!よーく見てやれっ!
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美しい水田ですねぇ。
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こっちは何が実るのかしら?

撮影もしちゃうぞ!
なーんて、ついついより良いアングルを探したりして、危険ゾーンのことを一時忘却!
2秒後にクラクションの嵐!

「いゃ~あん。ごぉ~めんなさい。」

でも、やっぱりドサクサにまぎれて、いい具合に立ち枯れたあざみの花なども撮ってみたりして...。
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やっと、歩道のある場所にたどり着くと、そこには、いい雰囲気の神社。
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ここでしばし休憩しつつ、後方部隊に今の危険ゾーンのことを伝えなくちゃだわ!

「もしもし、応答願います。もしや、デンジャラスゾーン歩行中ですか?どーぞ!」
「....はい? 一応デンジャラスゾーン歩行中です。どーぞ。」
「トラックは大丈夫ですか?どーぞ。」
「トラック?...というより、追いはぎが出そうです。どーぞ。」

....追いはぎ????

神社は、浅間神社で、鳥居の奥の石段は、そのまま富士を模倣した富士塚になっている。
後方部隊の到着をここで待つこととして、富士塚山頂の神社に参拝。
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石段を往復すると歩行仲間のひとりにやーっと再会。
「トラック・デンジャラスゾーン」と謎の「追いはぎ」についてしばしヒアリングしてみたところ、ロングウォークになれた人は、歩道のない車道なんか、はなっから歩かないのだと説明される。
(うーん。プロっぽい物言いだわ。歩行のプロだわ。)
彼が歩いてきたのは、歩道の脇の農道のような道。
(そういえば、そんな道が、田んぼの際にあった...ような。)
しかし、安全なはずのその道も、なにやらうら寂しく「追いはぎ」が出そうだった。
(笑...追いはぎ暇人?)
なので、ある意味危険な道...だったかもと。
(で、デンジャラスゾーンが一致ね...。)

つまり、図らずも、私はかなり非常識な歩行をしたようですね。今後は、車道を堂々歩かないように気をつけます。

神社を過ぎれば、やっと穏やかな道になり。
受験生時代にちょっと憧れた千葉大学の園芸学部や...。
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「カブトムシ」や「クワガタ」の看板などを発見したり。
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カブトムシのほうは、閉店したようですが、「クワガタ」は販売中のよう...。この界隈は、緑多き場所で、クヌギとかコナラとか多そうだもの、近場で捕まえるの?

ここで正式なスタート地点から時間差でスタートしたもうひとりの歩行仲間が合流。
(ちなみに、彼も歩行になれたひと。もちろん、かのトラック・デンジャラスゾーンなんか歩行しなかったってさ...。さーすが!)

さて、一行はさくさくと進み、松戸市から流山市に...。
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いたずら書きが邪魔ですが、今思えば、このあたりから徐々に不思議な光景が増えてくる予兆だったかもしれず。

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「大草原の小さな家」...のような。広大な空き地にポツンとトレーラーハウス風の小屋があったり...。
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人力車を引っ張り伊勢を出発→日本一周の旅の最中の30歳の青年にであったり...。

柏市に入るなり。
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たとえば、この琺瑯看板。
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「管公」って、しかして、あの「カンコー学生服」のことでしょうか?→そうみたいですね。こっちも。

このベンダー!?
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おでんとかスープパスタとかやきとりとか、カレーうどんとか味噌ラーメンなんてのも売られています。...小さくて見えませんね。すみません。
飲み物は、「水」と「ポカリスエット」...もしかして被災時用の自販機なんでしょうか?
にしては、ミルクコーヒー...ってのがわかりません。
おっ、「柿の種と落花生」!
...いや、写真小さくて見えませんね。すみません。すみません。
ご興味のある方は、是非現物を見に来てください!
流山市方面から6号線水戸街道を柏市にはいってずぐ、ワンブロック先の交差点です。
管公シャツの看板の傍にひっそりたたずむ自販機ですよ。

....ああ、こんなの見てたらおなかがすきました。時計を見れば13時!もう7時間ノンストップで歩いてますね(6時スタートのひとが...ですが)
さあさ、ここで、休憩。

<またもつづくっ!>
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by tao1007 | 2008-06-30 21:35 |

水戸街道ロングウォーク 前編

昨年8月の第一京浜・六本木→横浜から延々待つこと10ヶ月。
今回は、参加者たった3名であることから「THE物好き歩行」という隠れコンセプトもある(ない)、水戸街道約40キロ歩行です。待ってました!
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水戸街道は、東京都→千葉県→茨城県をつなぐ道。
1都2県を歩くのはロングウォーク史上初の試みで、加えて、目標地点の取手駅手前には、利根川大横断も控えている。こりゃ、すごいよ。
利根川って言えば、関東1位の長さを誇り、流域面積は日本で最大ですからね。
といっても、泳いで渡るわけではないんですけどね。

...どうも、おおげさな表現になりがちですが、水戸のご老公も通った由緒ある道。道の風情に対する期待もかなり過剰だったもんで、すみません。
実は、この道昨年5月の日光街道ほど歴史的情緒ある道ではありません。
この道の魅力はもっと別のところにありました。

さて、正式ルートは、上野公園の西郷像下、目的地は茨城県取手駅前。ではありますが、各参加者は独自の都合に合わせバラバラにて...という趣き深いスタートを飾りまして...。
2名は、午前6時及び7時(?)と時間差にて出発。
私はちょっとずるして金町までワープして歩行開始。
...いゃー前日、珍しく飲み会だったんで自重しました(笑)。

金町は、南へ向かえば、我が「フーテンの寅」が産湯を浸かった葛飾柴又まで一駅。
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北へ水戸街道の迂回路を行けば、水元公園。
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今なら菖蒲が見ごろですね。歩道橋には、菖蒲の花がデザインされて...。
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われわれロングウォーカー(!)なら徒歩圏内に面白いスポットが密集する街でもあります。

なんとなく後ろ髪引かれますが、ワープした私は、測らずしてこの歩行の先陣を務めちゃうことに。
歩行仲間は後ろから追ってきます。急がねば!(ちょっと負けず嫌い)。

1キロ歩くと、すぐに江戸川にさしかかり...。
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この川は、東京都と千葉県の境界でもあって、手前東京側は、やや生活観溢れる光景がひろがって...。
釣りびととか、チャリで行く小学生たちとか、簡易なお住まいもありまして、さっきまで、住人の方が家の前を掃いていた。
おいおい、よくみりゃ、畑まであるよ。
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遠景も晴れてリャ絵になる感じ。
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渡ると、様子は一変、千葉県側は、広大なゴルフ場が広がって。
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あっと言うまに、千葉県松戸市。いゃーワープするのって楽でいいねぇ。
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眼下には、小さくても甍の波。
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波につぐ波...。
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パッチワークされた家もある。
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国道情報の看板を見て、「何の情報よ?」こんな道に情報もなにも...。
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などと、小ばかにしていたら...。

あっと言う間に歩道がなくなり、一本の白線で区切られた形ばかりの歩行スペースになり...。
つーか、ここは歩行していいのか?
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しかし、果敢に前進する勇気ある私。何せ先陣だからね。
...いつしか白線はかすれ気味に、歩道スペースも限りなく狭くなり。
気づけば、私、大型トラックがフルスピードで向かってくるデンジャラスな道を歩くおおばかものぉぉぉぉ~。

さっきの「国道情報」ってこのことだったの?(いや違う)

いよいよ、恐る恐るカニ歩きで歩くハメになり...。(こんな大通りでカニ歩きかい)
しかも、私の位置をやや迂回して通る大型トラックの運転手の舌打ちが聞こえて来る!!(バカ、それは幻聴だよ)
ちょっとぉ!どうする私!

<つづく>

*注:このロングウォークのそもそもの趣旨は、「都心で大地震に遭遇したと仮定して、自宅へ徒歩帰宅することをシミュレーションする」というものです(笑)。
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by tao1007 | 2008-06-29 22:34 |

唐突に水戸街道ロングウォーク

開催の連絡があったのは、昨日の朝。
「明日歩きます。甲州街道か水戸街道」ときた!

なぬ!こんな急にか!?
...が、行ってやろうじゃないか!
で、発作的に、水戸街道ロングウォークに参加。
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参加者計3名。
同行の士がいたか...もはや同行の「志」だね!
主催者はまあいいとして、私を含む残り2名は、裏も表もない正真正銘の「ものずきの見本」みたいなものですね。いやいや、主催をするって時点でまぎれもない「ものずき王」か?

しかし、そこに街道がある限り、行きますよ私は。

*ものずきの記録は写真の整理が付き次第公開予定!乞うご期待!!
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by tao1007 | 2008-06-28 23:09 |

くちなし満開!

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自宅のベランダのくちなし。今や盛りと美しく咲き誇っています。
ご近所では、家々の庭や、街路樹などにもこの花が多く。
近くを通ると、通りすがりにふっと良い香り。

和みます...。
いろいろあるけど、慰められます。

かなり大木にも育つようで、私のくちなしも、そこまで大きくしたいものです。
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by tao1007 | 2008-06-27 22:20 | 都会の樹草

LOUPEという科学雑誌

ふと思い立って、「LOUPE(ルーペ)」という科学雑誌を買いに御茶ノ水へ向かう。
こちらもふと思い立って、昨日この雑誌の発行元のWEBサイトを見たのだが、2号目が発行されているとそこにあったのだ。
リトルプレスであるこの雑誌は、おいそれと簡単には手に入らない。
御茶ノ水橋を渡って、神田川沿いの坂道をゆるゆる下る。
聖橋を越え、昌平橋に向かう間に細い三角形の土地があって、そこに張り付くように古いビルが建ちならんでいる中に「美篶堂」と言う名前のギャラリーがある。目的地はここ。
ここでなら、「LOUPE」が買える...というか数年前このギャラリーでこの雑誌の存在を知ったのだ。ともかく無事入手。
しかも、発行者の方が偶然いらしていて、名刺交換までしてしまった!ラッキー!
ふと思い立ったというより、何かが呼んだね。
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「LOUPE」の2号目のテーマは「ごみ」。
「女の子向け」科学雑誌をコンセプトとしているから...なのか、切り口が洒落ていて、しかも実際的なアイデアが満載だ。17cm角44ページ、正方形の小さな雑誌。しかし、作り手の志しが高く、記事はことごとく面白い。未来への可能性がギュッと詰まっている感じなのだ。

目次を紹介しておこうか....。
【何度かつかう】ごみからものをつくる 
【原料にもどす】ごみに気づいた技術者たち 
【使い捨て】分別あれこれ 
【地球に還す】土に還る/エッセイ 
【ごみのふるさと】宇宙の「ごみ問題」

ちなみに、創刊号のテーマは「花粉」だった。
こちらの目次も書き写すと...。
【花から鼻へ】花粉を食べるってほんと? 
【春はマスク】ファッションで花粉を楽しむ 
【鼻を洗う】鼻を洗ってすっきりしよう 
【ワールドリサーチ】世界では花粉症ってどんな存在? 
【日本人と森とのかかわり】日本古来の良きものを知り、今を歩もう 
【くしゃみする街角】くしゃみしたら、なんて声をかける?
...面白そうでしょう?こちらもバックナンバーありるみたいですよ。(なーんて宣伝したりして)

発行は年1回。実はこの2号目は昨年7月に発行されたもので、3号目がもうすぐ発行されるそうだ。なんかそれも得した気分だったりする。

最近この「リトルプレス」という手法を使って自分の考えを発信するひとが多い。
少しずつ、ゆっくりと...だが、最近のそれは、待っていれば確実に出版される信頼感もある。
発行部数も少ないから読者は少数。しかし、読者の質の高さがマスメディアと全然違う。
100人とか多くても1000人とかの読者たちだろうけど、彼らは雑誌の隅々まで目を通し、そこにある記事をもとにろいろ思考し、そして、次号を心待ちにする。
まるで、雑誌がこの世の中に生み出された昔のようだ。
読者に愛され、深く影響を与えるチカラはもはやマスコミにはなく、こんな小さなところにあるかもね。...なんて、出版社にいる私が言うのも変かしら?
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by tao1007 | 2008-06-26 22:18 | 読書する

中古民家主義というイベント

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すごく古くも無く「古い家」...もったいぶっていない古さが私には面白い。
そんな家々に「中古民家」という名前をつけ、『中古民家主義』という本まで出した。その著者・眞鍋じゅんこさんに古書ほうろう店内で唐突に声をかけていただいて、そのままこのイベントに参加した次第。

千駄木駅を出てすぐの団子坂交差点から三崎坂を登り、途中の「アフリカ市場タムタム」で集合。まずは、古い長屋の1室であるタムタムの内部を拝見させていただく。ここは、築年は戦前の古い棟割長屋の一角で、建物自体も興味深いが、私はこんなところにココロ惹かれた。
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襖の引き手の意匠が長屋とは思えない格式あるものに見えるが...。
かつては、こんな庶民の家を建てる場合、近隣のお屋敷を立て直した際の古い材木などを流用した...ということで、これもその名残かもしれないとの解説を伺う。
ふーむなるほど。

さて、この民家をスタート地点として次の千駄木の古い家まで、路地裏を解説付きで歩き。最後は、古書ほうろう内で、『中古民家主義』に掲載の家をスライド&トークで詳しく解説というのがこのイベントの全様。
小さな街なので、歩いた路地は、私にとってはほぼなじみの道。...が、解説が入ると、これまた本当に新鮮で面白く、灯台下暗しの新発見も多数。

その筆頭はコレ。
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初音小路は小路すぎる道の奥にたくさんの飲み屋の看板がひしめいて、しかも奥で行き止まりといった風。昼でも敷居が高く(笑)、ひとりでは入り口から遠慮がちに覗いてみるのが精一杯。

が、この道。
なんと通り抜けが出来る上に、ミニアーケードには灯りとりの窓まである。
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これがなんともまた風情のあること...。
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で、このアーケードの先の猫道みたいな路地を抜けるとここに出て。
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日暮里駅から谷中に向かう御殿坂、喫茶ルノアールの裏手。今はマンションがたつが、かつてここには、この塀にふさわしいお屋敷があったんだと解説。...こんな、なんてことない解説が私には面白いのよね。

御殿坂を横切り、そばやの隣の路地を入り、お寺所有の畑の豊作具合を眺め。
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→諏訪台通り→富士見坂→布袋さんのいる修性院→小さな児童公園→谷中幼稚園→延命地蔵のあるよみせ通とおなじみの道を行く。
が...。
途中、山小屋風の建物が気になっていたスイス料理の店が「おすすめです」と聞かされて、「やっぱり」と、少し嬉しがったり。
富士見坂の際にあるマンションは、かつて画鋲工場だったと聞かされて驚いたり(こんな場所にある画鋲工場って見学もしてみたかったよぉ!)。
古い家の板壁の説明が興味深かったり...なので、いつも楽しい好きな道が、尚いっそう好きになり....。

その後、不忍通りを渡った先では、教えてもらわなければぜぇったい知ることが無かっただろう珠玉の路地を教えていただき...興奮しすぎて写真を撮るのも忘れてしまいました。

イベント後半のスライドトークは、用事があるためやむなく途中で退出。しかし、『中古民家主義』(交通新聞社刊)はもちろん購入したので、そちらでしっかり復習することとします。

いやー、本当私好みの面白いイベントでした。
眞鍋じゅんこさん!見知らぬ私にまで声をかけていただいてありがとうございます。
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by tao1007 | 2008-06-25 22:11 | 古い家

読書は続くよ、晴れの日も

f0108825_22323045.jpg雨のため致し方なく始まった感もある乱読ウィークエンド
しかしながら、余波は、月曜日も飲み込んで、やっと快晴の今日になっても止まらないのよ。何故?
で、いよいよ、コレのせいでマイブーム再燃のカレル・チャペックまでたどり着きましたって。
そもそも、チャペックの本を読みたいなぁ...と思って図書館へ行ったというのに、先に読んだこれら3冊をついでに借りてしまった次第。
私といえば、実は好きなものは最後に残すタイプだったか?あるいは、残り物には福があると信じているタイプなのか?!読む順がついつい逆転した。
....あんまり関係ないか。

さて、チャペック。
初めて読んだのは平成に入ってから...と結構最近で、「園芸家12カ月」がその最初。
ついで、愛くるしい犬のダーシェンカの本が2冊目。

しかし、伊達に、地味な文学ばっかり少女時代を送っていないから、チャペックだの、チェコの文学だのは知らなくたって、この「長い長いお医者さんの話」は知っていた。
しかも、手にとってパラパラページをめくって読書に値するかを検討した覚えだってある。...ああ、偉そうな小学生だか中学生だか....。生意気だね。

さてさて、子ども時代の私の好みでは、ちょっと面白さがわからなかったよなぁ...というが読後感。

魔法使いとか王様お姫様、小人、妖精...みたいな童話の世界の定番キャラを登場させながら、物語の底を流れる”実際的な考え方”とか”静かに戦う思想”みたいなものが読み取れて面白い。
ファンタジー的登場人物に対して、医者とか郵便配達人とかおまわりさんとか、裁判官とかが主要な登場人物あるいは主役を張ってしまうというのもチャペックらしいか。

悪者でもないが、良くもない、なんとも中途半端で気まぐれで...かえってしまつに困る魔法使いが、ある日梅の実を喉につめた。
弟子が、お医者をむかえにいくが、そのお医者様ったら、本心では山の洞穴に住む、箸にも棒にもかからない魔法使いの治療は気がすすまない。

チャペックの描く物語は、こうゆうところの切り替えしが面白い。
「あなたがたもご存知でしょうが、お医者さんというものは、病人を診て下さいとたのまれたら、たとえそれが恐ろしいおいはぎであっても、真っ黒な悪魔であっても、ことわることができないのです。ずいぶんたいへんな商売ですね。」なーんて記述をはさむもんだから、医者もしぶしぶ治療に向かってしまう...という寸法だ。

自分の仕事にブツブツ不足を並べる郵便配達夫が、封筒の上から中身が読める小人に向かって「信書の秘密を守らなければいけません」と言ってみたり...けっこう誠実だ。さらに、こともあろうか、宛名を書き忘れた封書の届け先を延々歩いて歩いて1年と1日、探すことになってみたり...うーん、言葉とは裏腹に職務に深い矜持を持っている。

リアルとファンタジーという二律背反の事柄を上手く関係づけて仕掛けてみせる。読者は、どんどん深読みワールドに入っていって抜けられなくなるのだ。
これは、少しはオトナになって、「社会の仕組み」のひとつも知らないと面白がれない。

さて、表題でもある「長い長い...」の4人のお医者さんの話。
健康な体には、日光と風通しのよい環境が必要...とか、気候の良いところに転地すると病気がケロリと治るものだよ...とか、リューマチの河童に温泉療法をすすめた話とか、夜の月明かりの中でしか登場できない妖精たちにハリウット映画で働くことを勧めた話とか...とおとぎ話のなかでおとぎ話を延々と。
「早く治療しろ!」と魔法使いに代わって思ったのは読んでる私。

首尾よく治療がすんで元気になった魔法使い。彼は今、転地療養地としてすすめられたサハラ砂漠で、野原や森や村や町を作り出そうとして頑張っているらしいよ。
ふふふ...。

カレル・チャペックは、社会の芯の部分をファンタジーに封じ込めて、ちょっととぼけた話を紡いでみせて読者をふふふ...と笑わせる。たぶんチェコの読者も「うふふっ...」と笑いながら、1938年まで彼とともに同時代を生きた。
時代は、ゲシュタポとかヒットラーとナチズムとか、きな臭く不安がもたげはじめて久しい頃。
カレル・チャペックは、嵐で荒れた庭の手入れをしたことが原因で肺炎となって、クリスマスの朝静かに逝ったが、あけて、1939年3月にナチスドイツがプラハを占領。
その死を知らなかったゲシュタポは彼を逮捕するためにチャペック邸に乗り込んだ...とか、軽妙で洒落たイラストを描いた兄のヨゼフ・チャペックは、強制収容所に囚われそのまま逝った...とか。

彼らが生み出した多くの物語の背景には、悲しみのエピソードも事欠かない。
ふふふっ...と楽しみながらも、その「悲しみ」も決して忘れてはならないのだ。
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by tao1007 | 2008-06-24 22:36 | 読書する

瞬間再読

f0108825_21342672.jpg昨日、感心しながら読みきったこの本。
「学校」を「会社」に読み替えて読んで見たらどうだろう...などと発作的に思い立ち。図書館へ返却せずに再読を試みた。

「学校」に過度な期待は辞めよう。

社会に出る練習ぐらいに考えよう。
そしたら、結構意味もあるんじゃないか。
...みたいなことを筆者・日垣隆氏の意見として、しかし冷静に思考しつくされた様子は行間に溢れ、(読む人が読んだらかなり過激にも感じる程度に)シャープな物言いの文章で表現した。

この本の舞台は、「学校」だから私の試みは全部が全部有効ではないものの、かなりいい感じに言い換え可能。
「学校」も「会社」も、人間によって作為的に造られた単なる「枠」とか「仕組み」でしかないという点では共通で、しかし、実情に合わなくなってもすぐには変更どころか調整も不可能。
「枠」とか「仕組み」を維持する最大公約数の考え方に寄り添ってさえいられれば、楽しくなくても楽だからね。いよいよ大変、もう危ないというぎりぎりまでそのままとなってゆくのは道理。
だから、かえって、もっとずっと腑に落ちたりしてしまった。

「俺が強調したいのは、オトナたちがバカだという点ではない。キミたちこそバカ色に染まるな。自分で考えてみろ。それが当面の課題だ。」なーんて言われると、まあ、なんてカッコイイとか思って喜んでいる。
筆者が対象にしているのは、学校に通っているひとたちなんですが、私も案外、チョロイ。
とはいえ、すっかり親の年齢になったとしても、悩みの本質は、子どもとそうそう変わらない。
視点を変えれば、つまり、「まずは自分で考える、感じる」...という生き方さえ勇気を持って貫けば、悩みの大半は、軽々と乗り越えられることばかりなのだ。
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by tao1007 | 2008-06-23 21:32 | 読書する

乱読ウィークエンド

悪い天気予報は良くあたる...という法則(?)のとおりに、土曜夕刻から週末は激しい雨。
雨を押してでも外出したい場所もない、プチ引きこもりの私なので、終日、その辺にある本を読み散らして過ごす。

読んだのは、以下の3冊を右から順番に。これらも明確な目標もなく、勘のみで図書館から借り出した3冊。
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が...妙に符合するところが多く。
途中から、シリーズものを3冊読んでいるような気になった。
いやいや、全然違う本なんですけどね...。

鯨 統一郎著「ヒミコの夏」は、米を巡るSFサスペンスながら、明日にでも起こりそうな事件に、ちょっと恐怖を感じる読後感。
古田足日著「宿題ひきうけ株式会社」は、1960年代の小学校を舞台としながらも、何か現代にこそ必要な話に思える物語。
そして、日垣隆著「学校が...」は、あるいみ、前の2冊で生じたもやもやの答をずばっと切って見せたような。

本に描かれる世界は読者によって様々な物語を持つ...ということで、たぶんその共通項は私の中にある問題や興味。
夜になって激しさを増す雨音を聞きながら、さらにもう一冊に手を伸ばしてみたりして...。今日はまだまだ眠れません。
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by tao1007 | 2008-06-22 20:49 | 読書する

竹の塀

せっかくの休日だが、空はどんより曇り、加えて湿気が多い。
天気予報では、夕刻から激しい雨、明日日曜まで降り続くとか。

ともかく、雨が降り出さないうちに散歩散歩...と。
今日は、西日暮里の駅から、諏訪神社を抜けて諏訪台どおりを東へ東へまっすぐに行く。
日暮里駅から続く御殿坂を横切って、初音通り、左手に朝倉彫塑館を見ながら通りすぎる。
いつもなら、とっくに面白い発見があるこのご近所ルートも、こう暑いと、集中力も好奇心も続かない。
いやな季節かも、飽きてた....。
しばらくいって右に曲がって路地を行けば、空がスコーンと抜ける初音の森。
まあ、そこまで行ってみるかと路地に入る。
...と、様子がいつもと違うよ。
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長ーいブロック塀があったあたりが、竹の塀になっている。
ここだけ、やや涼しげな感じで、さわってみると、ヒンヤリ冷たい。切り倒されて運ばれても、まだ生きている植物のチカラ...か。

界隈では、ゆっくりゆっくり、夏の準備がされているような。
ああ、そうだ、今日は夏至の日。
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by tao1007 | 2008-06-21 23:15 | 都会の樹草


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