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ココロはいつも休暇中



宇宙の標本を見に行く

本郷の東京大学総合研究博物館に行く。
宇宙の標本を見に行く_f0108825_2315078.jpg
現在の特別展は、「異星の踏査」と題されていて、アポロが持ち帰った月の石とか火星探査機マーズオデッセィが、地球上からの遠隔操作で火星を探査する様子とか、見所満点の催し。
まず、エントランス付近で流れているロケットの打ち上げの映像に足止めをくらう私だ。
大爆発によって青い空に押し上げられる白い機体が何か神々しくて、地上を這いつくばって日々生きる私などは、無条件で感動してしまうのだ。
何回も繰り返しその場所で映像を眺め、気がつけば30分。
博物館はこじんまりと小さく、この展示スペースはさらにコンパクトだが、内容は深い。
次に魅了された「月の石」の展示でも長く時間をかけて解説を読み、「月は、地球に原始惑星が衝突した衝動であたりに撒き散らされた物質が再び集まって出来たモノ...という学説が有力」とあって、そこをせっせと書き写したり。
やっとのことで、隣のモニターに移動すると、そこでは、火星上で行なわれた遠隔操作の「惑星探索」の様子が流れていて、下手な映画より複雑で豊富な物語を描き出している。そんなだから、またも、その前で延々時間を費やした。

ポスターにも使われていたハート型のモノは、日本の探査機「はやぶさ」が探索した小惑星で、「イトカワ」という名前だそうだ。
このハートの形が奇跡のように美しくてまたも...。

さて、これらの展示にかように深く嵌って、素朴に思ったのは、「なぜ私は、地球に住んでいるのかしら、なぜほかの惑星はみんな荒地なのかしら」という、不思議な偶然のこと。
そしたら、壁にレイアウトされた解説の中に、ここで展示されている研究「惑星科学という分野は、太陽系における天体の様子や生い立ちを調べることで、なぜ私たちは地球に住んでいるのか、という根本的な問いに答えようとする学問です。」とあった。

偉大な研究や発明も、それはいつも、ひとの素朴な疑問やひらめきからスタートする。この展示は訪れたひとに、そのことを思いおこさせる意図もあるように思えて、またも感慨深い。

この場所は、標本研究をテーマとする博物館で、その他の展示も面白く、いつもその美しさに打ちのめされること仕切り。
膨大なものを全部探り、その縁まで到達し、そこで得たものを、こつこつと粘り強く、整理分類して、やっと見えてくる発見。研究者は時に何代も引き継がれ、やがて偉大な結論に到達する。

ここは、研究者も、偉大なる「職人」なのだと認識する場所でもあるのだ。
by tao1007 | 2007-11-10 22:51 | つらつらと
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by tao1007
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