レッツ・ゼンのコピーに誘われて(嘘)、国立博物館に行った。
「京都五山禅の文化展」は、いつも過激に混んでる特別展にしては人が少ない。
夏休み最終日だからかしら...とも思うが、展示物の多くが、禅僧の肖像画や書...。生きてるときを彷彿させる肖像彫刻や袈裟は、見ごたえ充分なのだけれど、そもそも身近でない「京都五山」は、東の人間にはちょっと難しい感じ。
こうゆうものは、博物館などにもってこないで、京都五山の各お寺で拝見したいものだというのが正直なところだが、どうか?京都でこれらの寺を身近に見て暮らした経験のあるひとはどうなのか?
...と、けっきょく、決意や焦りのわりにはサラッと見学。
本館のお気に入り展示コーナーへ移動した。
国立博物館の1階の奥「歴史展示資料室」と「民族資料」のコーナーは、地味だが展示内容に意外性と生活感があって私ごのみのスペース。
今は、天明3年(1783)の浅間山噴火と安政2年(1855)江戸大地震を中心に江戸時代の災害に関する資料が展示中だった。
で、安政の大地震の記録はこんな風。江戸の町が、地震に見舞われた直後の映像...といったところか。
そして避難所の様子。
お寺...でしょうね。襖をはずしてついたてにしているのがよくわかりますが、今の避難の光景とさほど変わらないのもよくわかります。
火事とけんかは江戸の華。火事は日常茶飯事、江戸の町がしょっちゅう燃えていたのは、時代小説などでもおなじみだが、もちろん、この安政大地震のあとも江戸は大火事に見舞われた。それを伝える瓦版などもここには多数展示されていて、東の人間には、こっちのほうが見ごたえあり、と思ったり。
自然の驚異の上に町があることを、「おおきな鯨の背中をお借りして住んでいる」ぐらいに思って日々暮らした江戸の人。
今も変わらぬ土地の上に住みながら、意識は全然とんちんかんな現代の私たち。ゆれて燃えても翌日から淡々と復興に向かう江戸人はタフな人々だったけど、果たして私たちはどうでしょう...。
ところで、博物館に向かう途中、ストィックにランニングする防災プロデューサーのKさんに遭遇。これらの展示ってKさんにこそお勧めでは?と思ったりもして。いかがかしら?