会社に帰ると、このごろ「元気のない俺」を売りにしているホストAくんが、仕事で留守がちの私に会社の近況を教えてくれた。
「なんか...なんでも教えてくれてこのごろ可愛い奴だねキミは。ホストを生業とする息子ができたようだよ...」と、思いつつお話を伺うと...。
あ”~!また、わが部は、意味のわかんないシステムを導入しようとしてるらしいなぁ...。そんなん運用する担当者になったらますます本来の仕事ができなくなるんですけど...。
今年になって40代前半ぐらいがこぞって管理職に就いて、組織はもっといい加減でやりやすくなるかなぁと思っていたのだが、かえって仕事がやりにくくなった。「報告のためのレポート」とか「報告のための会議とか」...なんかやらなければならない仕事が膨大に増えたが、「こんなことより仕事をさせろ!」と私は言いたい。一応断っておくが、わが部はせいぜい30人程度の営業セクション。長時間の会議をしてる暇は本来ないはずだし、書式が複雑なレポート書くほどの大人数ではありません。こんなことばっかしてると、私の猶予期間3年の前に会社のほうがつぶれたりってしゃれにもならない事態を呼ぶよ。「よく最後まで頑張ったね...」とか言われている自分が想像できてちょっと怖い。
...しかしね。
おおらかに他人を信じて、仕事をやりやすくするってのは、人間のできたオトナの管理職にしか出来ないことだよな。そうそう、それをすっかり忘れておりました。
40歳そこそこ、しかもよーく観察すれば精神年齢は高校生なみの迷える男の子に、そんな芸当できるわけはありませんでしたね。
そうですそうです。
精神年齢は高校生ぐらいとわりきれば、すべて御しやすいとも言えるのだ。
対する私はこう見えてもオトナの女ですもの。
1.たとえ自分が正しくても、相手が良かれと思ってやっていることに、真っ向から歯向かうなかれ。
2.役割分担となりそうだったら、最初に自分の役割を獲得する。
ただし、「やりたかったもの」⇒なければ「複雑にみえて楽にできそうなもの」⇒それもなければ「楽なもの」の順にすばやく選ぶこと。
3.そして、「私はこれをします!」とまっさきに立候補してしまうことが重要。
4.そんな手順もなく厄介な仕事を押し付けられそうになったら、自分が本当にやりたい仕事を先に作ってしまい、忙しくなってしまうこと。まにあわないなら、とりあえずは忙しいふりをする。(これって営業セクションにいればけっこう現実的。)
番外.このようにして、厄介な仕事は、なるべくそれが必要と思っている管理職に押し付けること。へんな男気出して俺がやりますとか間違っても言ってはいけません。厄介でも必要な仕事ならそう思うひとがやってみればいいんです。みなに範を示す意味でも。
「物事の本質が見えていないひとにはこの方法で充分にやる気のあるひとを演出可能よ!しかも、いちばん面倒でつまらない仕事は絶対自分に回ってこないでしょ。」
...とホストAくんに、私の手の内をちょっとだけ公開してみました。
するとホストAくん、
「TAOさん。そういうことを本にまとめてはどうでしょうか?知りたいひと多いと思うんですよね」と可愛いことを言うのでここにまとめてみました。
でもこんなこと、ちょっと要領のいい会社員ならいつもやってるんですよ。
会社員でいる以上、いかに効率よく自分のためになる仕事のみ渡り歩くか、という身の処し方も重要。同じ給料、同じ時間。そして大切なのは会社でなくて、自分の人生ですから。
ホストAくんは、「面倒そうだなぁ。俺にふってこないといいなぁ。」と不安がってばかりいて行動をおこさないため結局いちばん面倒な仕事を割り振られてしまうという嫌いがある。
性格はいいんですが、自分がないし、計画性もない、いきあたりばったりの人生。男前でおしだしもよく、頭も良いし、話も面白いのに...なんでこうなってしまってるんでしょうね。
でもこういう惜しいひとけっこう多く存在しているのも事実ですけど。
まあ、自分でなんとか乗り越えてくださいとしか言えませんが、私には...。