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ココロはいつも休暇中



タイトル気に入りました

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「もうビニール傘は買わない。」大平一枝 平凡社

このタイトルでなかったら、「ああ、また節約の本か...」と思って手に取らなかったかも。
本のテーマは、もちろん、「節約」...いや、というより「始末」のノウハウといったらぴったりくるか。

雨が降ったらコンビニで300円ぐらいで買えるビニール傘は、今のニッポンの便利の象徴。
ほかにも、自販機とか、そこで売られるペットボトルや缶の飲料とか、あるいは、お惣菜や冷凍食品などの出来合いの食べもの。
それらは、便利であるから日々無意識に使い、その代償として、日常の光景をチープにしているものたちでもあって、チープな光景を眺めて暮らせば、見ているほうの人間までもなんだか安っぽくなってゆく。

ああ、そうなんだよなぁ...。

本誌には、それらの便利をやんわりと否定した先にある暮らしのアイデアがこれでもかっと詰まっていて楽しい。

まずは、出来合いの食べ物・飲み物を買わない先にある、自家製のジンジャーエール、玄米茶、梅ジュースに梅干に味噌、季節の果物で作るジャムにあまり野菜で作った漬物。
なんか、ぜんぶ作ってみたくなる気満々になるのは、筆者による作り方の洗練...つまり、簡単で、少しからでも美味しくできる方法が細かに書かれているからでして。
そこにやや夢中になる。

ああ、今日スーパーで見た、梅の実買ってこようかなぁ。

ついで、書かれているのは
・服や雑貨、洗剤などの日用品を買わない
・箒での掃除、電子レンジのない生活、消灯された夜の楽しさ...頼らなくてもいいのなら電気を控える生活

などなどで、これらは、私ももう経験済みながら、それを実行して得られるココロの余裕みたいなものを本書で読んで再確認する。
やっぱ、こうして客観的に捉えても、これらはココロ穏やかに、日々を充実させてくれる生活の仕方だよねぇ。

そして、こうした生活の結果としてあるのは、せかせか働かなくてもよい暮らし。
豊かな食生活だというのにお金はずいぶん節約されて、モノは少なくすむから自分の住まう空間は狭くても広い。そして、時間は、生活を豊かにするために使われてゆく...みたいな。

会社を辞めるまでの私といえば、地球の自転自体も無視するような、ほぼ24時間労働者。
稼ぎは、それなりであっても、けっきょく、それを生かす時間も、ココロの余裕も無くて、お金はストレス解消のお買物に費やされていくばかり。
部屋には管理しきれないほどのモノがたまった。

すべてを少なめに持って、あとは、日の出と夕景の美しさを日々眺めて生きる、自分のリズムにあった暮らし。
それだけは、何があろうと手放さないようにしなくちゃね...と思いつつ、必要なアイデアを抜書き。

そして、やや満足感を感じつつ、本を閉じる。
by tao1007 | 2012-06-07 10:13 | 読書する
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カラダもココロも休暇中

by tao1007
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