ココロはいつも休暇中



江戸のビジネス書を紐解く?

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ココを書きはじめたのがきっかけなのか、いやいやもともと好きだったのか(まあそれもある)。
ともかく、歳時記や旧暦、日本人の民間信仰などをアレコレ調べて発信するというのが、今や私のライフワーク。それがシゴトにもつながればなぁ...とかすかな期待を持ちつつも、今は勉強ということで、そこに連なる江戸時代の庶民話の本までも、かかさずチェックをおこたりません。
っーことで、江戸の研究者・田中優子氏の新刊です。しかも、江戸のビジネス書だって!
なんだかこんな面白そうな本が上梓されていました。

さて、田中優子氏によって、江戸のビジネス書とされているのは、井原西鶴の『日本永代蔵(にっぽんえいだいぐら)』、『世間胸算用(せけんむねざんよう)』、『万の文反古(よろずのふみほご)』の三冊。
そこから、田中優子氏が江戸のシゴトの考え方を語るに適した16篇の物語を選択し、現代語訳まで施した。さらに、ひとつの物語ごとに、「この篇のご案内」=物語の概略と「読み解き」=著者なりの江戸のシゴトの解釈を加え、なかなか、楽しく読みやすい構成になっております。

まず、私が、「ほーっ!へぇ~!」と思ったのは、昔話に良く出てくる「長者」という言葉の意味なんでして。たんに大金持ちのことかとばかり思っていたら、「身分にかかわらず、(一代で)自分の力で裕福になった人」のことを言うんだそうです。
現代の「IT長者」ってことばは、そうとう正しい使い方ってわけかぁ...。
なるほどねぇ。
そして、本の冒頭から、江戸時代の人々の中で長者になったヒトが、いったい何をどうしたのかが書かれております。実例もアレコレ描かれていて面白い。
たとえば、三越の前身、三井越後屋がなぜ大きく財をなしたかなどは必読かと。
現代の百貨店は非常に元気がない業種に成り下がってますが、越後屋が出てきた時代の他の呉服屋たちの状況がそれに似ていて興味深いです。そこから、この現代まで続いたビジネスが生まれたってわけですから、今も味方を変えればその好機ってわけじゃあないでしょうか。

さらに、続いて、「シゴトにズルはなしだよ」ということも延々と。偽装、詐欺行為、などが、けっきょくは商売を行き詰らせてゆく様が描かれています。
いまも昔も、みんなおんなじことを繰り返しているってわけか...と。

そして最終章では、どん底から這い上がり、再出発、さらには、どん底時代の経験を成功に変えて行く物語。やっぱり、この種の話は、時代を超えてワクワクするものです。

井原西鶴は、エピソードを実話から取ることにこだわった方なんだそうで、つまり、ここに流れているのは、江戸時代のシゴトに関わるリアリティ。
つまり、西鶴という存在は、物語作家にして、江戸のジャーナリスト的な位置づけでもあった。...そんな風な読後感でもあります。

今度は、原本...いやせめて現代語訳でいいから1冊読んでみなければなりますまいね。
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by tao1007 | 2012-06-03 11:53 | 読書する
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