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ココロはいつも休暇中



好きな作家の違う部分を垣間見たような...

好きな作家の違う部分を垣間見たような..._f0108825_18423623.jpg「あめりかむら」石田千 新潮社

石田千さんの本は、デビューのころから大好きで、新刊が出れば欠かさず読む。
これは、その石田さんのはじめての小説集で、しかも、表題の『あめりかものがたり』は、芥川賞の候補にもなったので、かなり楽しみにして読みはじめた本。
...が、作家自体が、何か大きな病気を体験したか、まだ乗り越え中なのかは不明だけど、その病が物語の重要な位置を占め、ちょっとテイストが変わった感じ。
なんだか、いままでのように一気に楽しんで読むという感じにはならないのだよねぇ...。

そういえば、その印象は、随筆集の『みなも』の読後感にもあって、しかし、その感じは、読者の私も数年前に大きな病気をしたというのが影響しているのかもしれないと思い直す。
なんとなく、作家か誰かが書いた病気の話は、気になるものの、真正面から読みたくない感じがあって、まさに、それが大きな理由か...ああ、そうか。

それでも、恐る恐る、しかし、淡々と読み進み最後。
この作家が文筆生活に入ったきっかけ(と推定される)「大踏切書店のこと」が収録されていて、おっ!と思い、ほっとする。
これは、ずっと読みたかった話で、読めば、そこには、私の好きな石田ワールド。

この作家は、まだずっと若いけど、「新しい世紀のおばあさんの潔い生き方」みたいなイメージがあって、そこが新刊が出れば買って読みたくなるいちばんの理由。
だけど、病っていうのは、そこから潔さをちょっとうばっちゃうものなんだろかねぇ...とも思う。

いやいや、好きな作家であるには違いなく。
病気した自分のほうが、数年たっても、まだそこから立ち直ってないってことかもなぁ...とも思う。
by tao1007 | 2012-01-13 18:42 | 読書する
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by tao1007
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