三ヶ月に一度の大船。
のちいつものように鎌倉八幡様にご挨拶をし→鎌倉に邸宅を建てた友人を訪ね、日は短くなったとはいえまだまだ明るい午後3時。
さて、ずっと気になっていた神社へ行こうか...と、江ノ電に乗り込む。
長谷で降り。
地図によれば、江ノ電の線路の際を道なり進んでいけば、目的の神社に着くようです。
が、かすかな海の匂いに惹かれて海岸方面へ遠回りする。
坂の向こうに海!という、ああ、私にとっての鎌倉的で好きな風景。
この光景を進行方向左に眺め、星の井通りというやや大きめの道を進めば...。
老舗力餅家の風情ある店舗。この手前を右折して路地を行けば、目的の御霊神社です。
近所の方々は、ご祭神の鎌倉権五郎景政の名からこの神社を権五郎さまと愛情をこめて呼ぶらしく。そして、噂によれば不思議満載の神社でもあるらしい。
たとえば、鳥居の手前に、何故か踏み切りがあったりする不思議...とか。
この神社は、鎌倉七福神参りの神社のひとつで、福禄寿さん(面)がいらっしゃる場所ですが、境内の石像はなぜか布袋さんとだけこんなに仲むつましく?...の不思議とか。
奥の境内社の鳥居が何故か背が低い...不思議。
だから、軽々石なんかを置いて...。
何か祈願でしょうか?
奥の石上神社の狛犬さんの佇まいすら不思議な感じで...。
しかし、もっとも興味深く不思議なのは、この中にある。
中に収蔵されているのは、不思議な面が十面(今は、その半分が神奈川県の博物館に出張中にてお会いできずですが...)。
毎年、ご祭神の鎌倉権五郎景政公の命日である9月18日は例大祭で、御神輿とともに、これらの面をつけた面掛衆が行列をするという。
その「面掛行列」は、神奈川県指定無形民俗文化財でもあって、こんな様子らしく...。
掛けているお面は、新しそうですから、もちろんレプリカでしょうね。蔵の中の面には、歴史を背負った迫力がある。
ついでに、面掛行列の土人形も。
このお面は、奈良時代、仏教布教のため日本全土の大寺院で盛んに上演された「伎楽」といわれる仮面劇の面を原型とするのだそうで、ああだからか、日本というより大陸的です。
鎌倉といえば、有名神社の数々ひしめく観光地。しかし、その喧騒から離れれば、こーんなに趣深い場所まであるのです。
不思議を抱える懐の深さたるや...と、鎌倉力のすごさをつくづく。