「お金に頼らずかしこく生きる 買わない習慣」
金子由紀子 アスペクト
こんなふんわり可愛いルックスの本だが、「買わない習慣」というタイトルは、けっこう革命的だ。
「節約」とかいう中途半端な話ではなく、「買わない」。
なんとも清々しいではないか。
たとえば、遅い午後から夕方の時間。
そんなひとときに、一度、TVをつけたらさあ大変で、主婦向け報道番組は、必要以上に激安&節約情報が満載で、うるさいうるさい。一方、夜のややお硬め報道のほうは、消費の低迷を止めなければ不景気対策は絶望的なニュアンス。
うーん。日本は、ほんとに「何かを買う」ことでしか豊かになれないんだろうかねぇ。
と、思っていたところでした。
ちなみに、私の場合で恐縮ですが、忙しすぎる仕事から解放されて→衝動買い病、あるいは、ストレス買い病からも回復→その副作用でもある、部屋の蓄積物も無くなって→モノより持たない生活への執着のほうが大きい→買わなければ必要以上に働く必要もなく、ほぼ好きなことだけ
→「ああ~なんて幸せ」の日々なんですが...。
もう、ほんとは必要なものは揃っていて、落ち着いてみれば、物欲は満たされている。
それを、むりやり煽られ乗せられ、過剰に歩を進めれば、ストレスだらけの日常が待っているだけのはず。そんな犠牲を強いての景気対策ってなんのためなんだろう?
...って思わない?
過剰な消費欲は、過剰な金銭欲を生む。そして、それは、過剰な競争を生み...。
そこまでして、買ったけれども上手く使われなかったものたちは、中性脂肪のように身の回りに堆積し、掃除を難しくして、部屋を乱雑にしてストレスを生む。
条件の全てとは言わないが、ココロを豊かに保つ必要条件のひとつは、必要なもの以外は「買わないこと」だ。そうして、すっきりと落ち着いた生活を手に入れることだ。
...って、そう思うでしょう?
日本の経済対策を担うひとにも、日本が、いや世界が「買わない習慣」のついた人だらけになったら...と考えてほしい。
そんな風にも思う一冊。