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ココロはいつも休暇中



風流な百花園、伊達酔狂な雨散歩

老母の東京旅行の2日目の希望は、百花園→スカイツリーを仰ぎ見て→三囲神社にある池袋三越のライオンを見ると、盛りだくさん。
母の世代の情報ソースは、TV情報番組。漫然と眺めて過ごしているかと思っていたら、東京情報に関しては私よりも相当に詳しい。
三越のライオンが三囲神社にあるなんてディープ情報、知らなかったよ、お母さん。

外は雨ながらも、母はいそいそ、私はしぶしぶ。
...しかし、雨の日に植物園かよ。
と、思ったとおり、百花園は私と母の貸しきり状態。

しかし、風流な場所は、雨風の日でもなかなかにおつなものでして...。水琴窟(すいきんくつ)なんかが置いてある。
風流な百花園、伊達酔狂な雨散歩_f0108825_21273672.jpg
ひしゃくで小石の上から水をかけ、瓶の中に落ちてゆく水滴が、琴のような音を奏でる仕掛け。江戸時代には、庭園の設備のひとつだったらしいが、実物を見たことがなかった耳学問。
初めて見て音を聴き、それが想像以上に美しい音色。
ほかに誰も居ないので、傘をさしつつ、何度も何度も水をかけ音を聴く。
「ああ、ほんとに琴の音だねぇ」...って私たちって伊達酔狂暇人の見本のようです。

が、伊達酔狂は、不思議とすごいものを呼び寄せる。
「雨の中、ものずきだねぇ~」と恵比須顔で寄ってきた男性。
「やや、これはこの百花園の主ではないか!」とココロの中でそっとおどろく。

百花園は、私も相当に好きな場所で、今年に入ってからも訪ねること片手は越えた。
そして、行けば、庭園内には、いつもこの主が居て、誰彼となく捕まえては、植物の知識を伝授する。そっと後を追跡しつつ立ち聞きしたところによれば、花も咲かない葉っぱの状態で品種を当てることなど序の口で、その来歴や名前の由来、はては、漢方、紡績、etc...と日本人の生活との関連まで、その知識が半端ではない。
受付で聞けば、主は、園内のガイドと言うわけでもなく、ただの常連氏。
以来、私は人知れず「百花園の主」と呼ぶ。いや、その神出鬼没ぶりからしたら、この世のものではないかもしれない...とすら思っていた。

その主が、われら母子に、歯切れの良い江戸弁にて雨の日のマンツーマン植物講義。百花園の植物について約2時間の貸切ガイドを雇ったかのような充実感で、もちろん「何かお礼を」と。
が、そう言ったとたんに、さささっと目にも留まらぬ速さで消えうせました。
....やはり、あれは。

「ああ、もうスカイツリーも三越のライオンもいいわぁ」と老母。スカイツリーは東武線の車中から眺め、けっこう満足して東北の街へ帰っていったのでありました。
百花園の主様、おかげさまにて良い親孝行ができました。ありがとうございます。
by tao1007 | 2010-04-22 21:14 |
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by tao1007
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