都心の小・中学校の統廃合が進んで、我が家のご近所にも空き家になってしまった学校が多数。
その中の一つ、秋葉原の旧練成中学校が丸ごと一校分アートスペースとしてリニューアルされたという話を聞いてさっそく訪ねる。
名前は、「3331」...と言うのだそうで、入り口附近をこんなマークが飾る。
ちなみに3331は、「江戸一本締め」を数字表記したものから名づけたとか。
「イヨーオ!シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン」...ってことですね。場所は、千代田区外神田らしいネーミングでセンス良しと思います。詳しいことは
こちらにて。
そして、一本向こうの通りは、秋葉原の繁華街。
庶民のエネルギーと文化で満ち満ちる江戸的と、サイバー日本の組み合わせ。
かなり、期待が高まる場所です。
さて、その3331。校庭だったところは、公園兼前庭になり、そこに張り出す気持ちよさそうなデッキ。
芝生の広場には桜の若木が植樹され、その隣には、たぶん校庭から校舎を臨んでいた大きな樹。ここじたいも近くキモチの良い場所になりそうです。
昇降口だったと思しき場所は、広く日当たりの良いロビーとなっていて、後にここがカフェスペースとなるらしい。日本全国の地場産業や文化にアートのフィルターをかけて蘇らせた...と言う風な様々な取り組みのアーカイブ的な場所でもあるようです。
こちらは職員室だったのでしょうか?スライド式の黒板は大きなスケジュール表でありかつて学校行事のアレコレを書き加えられていた風で、その傍らに音楽室から運んできたのだろう古いピアノ。ともに、ここが学校であったことを静かに主張しております。
奥のスペースでは、オープン記念のエキジビションが開催中。しかも、会期が今日までとのことで...入場料800円は高いかなぁと逡巡しつつもけっきょく入場。
そこでは、そうとうなことが繰り広がっていて、お金を惜しまなくてよかったよかった...という面白さ。
ちなみに、主なエキジビションは以下。
◎日比野克彦氏の朝顔の種を媒介に、地域を結ぶプロジェクト「
HOMEからAWAYに移動した時に起こること」。2003年に始めたこれが、まだ続いていたことにも驚いたものの、なんと朝顔を育て→種を取る→他の土地へ種を撒き...とつなぎ、なんともう22箇所で朝顔を花開かせたことに驚愕。
◎藤浩志氏の「
VPC発kaekko経由TOYS paradise」は、いらなくなったおもちゃを集積して恐竜の国を作る...そしてそれが滅法美しく。そして、いらなくなったおもちゃを集める「Kaekko」という考え方が面白く。
さらに、ドキもを抜かれた展示はこれで...。
◎八谷Pプロデュース、中川基+荻野剛+鈴木ヒロシ氏による「
エクストリームDIY」は会場に一歩入っても瞬時には理解しがたい得体知れずな展示の数々。しかし、そのどれもがいわばトンチの効いた大発明で...。
コカコーラの成分分析をしてみたり、超ハイパワーの圧力がかかる圧力鍋で、リキュール味の果物を作ってしまったり、電気ショック音みたいなもので音楽を奏でる、火花散る...その面白さはちょっと説明が難しく。特に驚愕に値するのは、その説明し難いそれらの大発明が、ガレージ工作とかキッチン実験的な手軽さ身軽さで為されてしまったってとこ。
ああ、ことにこの方々からは今後目を放せませんね。
ということで、学校という場所は、なかなかどうして、廃校になっても未来を育てる場所であることをやめないものです。