ココロはいつも休暇中



柏の縁

ご近所にあって気になっていた旧安田楠雄邸へ遂に行く。
f0108825_21404167.jpg
ここは、大正7年に建てられた近代和風建築の見本ともなる屋敷で、関東大震災のゆれにもびくともせず、ついで第二次世界大戦の被災も逃れた。
そんな多くの難を逃れながらも、当主が亡くなった際の高額な相続税には一時負かされそうになり、取り壊してマンション建築の話が決まりかけていたそうだ。
しかし、その難をも逃れて、凝った意匠そのままにここにある。...よかった。

かつては主人とそれ以上に敬意を払わなければならない客人用だった大きな玄関からお邪魔して、何か身の丈に合わないような静かなる迫力のようなものに圧倒される。
が、家それ自体は、住まった人々に長く愛されたゆえの優しげな気のようなものに包まれていて、ずっとここにいられるものなら過ごしてみたい...という雰囲気に満ち満ちていた。

それは、家自体の工夫溢れたつくりによるところが大きいだろうが、それとともに、さりげないようでいて計算しつくされた庭と屋敷の美しいコラボレーションの影響も少なからず...と。

例えば、2階の窓からみえるこれは、枝垂れ桜で、花の時期には、それこそせまり来るように咲く...のだそうだ。桜の時期の再訪は絶対はずせない!とココロに刻む。
f0108825_21435794.jpg


そして、その枝垂れ桜と並ぶように、屋敷が建った当初から庭に植えられていた、大きな大きな柏の木が一本。
守り神のようにそこに居た...ように見えた。
f0108825_21442510.jpg
この屋敷は、まず、豊島園の創始者である藤田氏によって建てられて、もちろん、この柏の木も藤田氏の指示により植栽された。のちに、銀行家の安田家の手に譲られたのだが、その安田家の家紋は柏の葉の意匠。
安田氏は、その偶然をたいそう喜ばれたそうだが、そこに強い「縁」を感じたのだろうことは想像に難くない。
だから、住人たちは、この家を大切に思い、家は、多くの難をのがれ静かにここに居る運を掴んだ。

私がお邪魔したのは、開館直後の朝一番。屋敷の案内以外にも庭に多くのボランティアの方々がいて、楽しそうに庭掃除にいそしんでいた。
今も、週に2回、雨戸を開けて家に風を通し、柏と枝垂桜の庭の落ち葉かきをするのだそうだ。

帰路、通りの側から振り返れば、何故だか格式ある家が、ふくふくと幸せに見えた。
[PR]
by tao1007 | 2009-10-24 21:34 | 古い家
<< 芸工展の成果 ハロイーンのガーデニング >>


カラダもココロも休暇中
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
お気に入りブログ
以前の記事
メモ帳
最新のトラックバック
大鳥信仰
from いかさま堺
コムデギャルソン財布
from 財布専科【ブランド財布 長財..
1月24日の朝ご飯(おでん)
from 【ブログ-24日】我が家の朝..
紅白歌合戦 出場歌手が決定!
from 紅白歌合戦 出場歌手
園芸少年 魚住直子
from 粋な提案
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧