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ココロはいつも休暇中



第5作目

第5作目_f0108825_10171489.jpg最終章には、いよいよ大学受験とか進路の話が出てきた。
小学生でデビューした華恵さんも、もう18歳かぁ...と感慨深い。
さて、5作目の「寄りみちこみち」は、ほんとにタイトルどおりのそんな話。立ち寄った小さな道々は、「天狗岳」とかいう本格的登山もあるが、たとえば、谷中や上野の博物館、巣鴨とかの東東京...。
華恵さんは、これらの場所に全部自転車で向かえる距離に暮らしているらしく、「おおっ!ご近所さんなの?」と親近感がより深くなる。

「ここの人達は、外からの”刺激”に動かされることはない。”特別”なことを持ち込まれても、日常のリズムが変わることはない。」と谷中に住むひとを「ちょっと羨ましい」と思う...とあったり。
「いつもどこで遊んでるの?」と問えば、「荒川の土手でチャリ飛ばして遊ぶか、アメ横に行く」という友達がいたり。しかも「谷中銀座で食べ歩きしてから上野に行って...。」とその友人を誘う算段をしてみたり。

いやぁーファンとしては嬉しいね。
私も同じ。荒川をチャリで飛ばす粋な友人は居ないけれど、ひがな辺りをウロウロ。親しい友人をこの散歩コースに案内するとして...なんて、思い描いたりしてるもの。

さらに、風邪をひいた日は、地井武男さんのTV番組「ちい散歩」を見て、いろいろ思う..という渋い話もあって、暇な私はほぼ毎日見ているよぉ...と。

今回も、高校生同士とか家族とかとの(その年齢にありがちな)「ちょっと乱暴」な会話が健在で、前作は新鮮な読後感でしかなかったけれども、今は、実はちょっと懐かしい。
「ああ、自分もそうだったよなぁ。」と、忘れていた高校時代の日常の断片...みたいなものを親近感ついでに思い出したのだ。

華恵さんのエッセイをこうして楽しんで、いつも最後に思うのは、「いちばん多感な頃の記憶をきちんと文章に残したその後の人生ってどんなだろうか?」ということ。
たとえば、彼女が私ぐらいの歳になって若い頃の自分の本を読む。それは、過去の自分にタイムマシンに乗って会いに行くごとくじゃないのかしら?
それって、いいのか悪いのかちょっと判断付かないけれど、でも、当時、文章を書くことは「宿題の作文」でしかなくて、ほとんど義務で書いてきた私にとって、それが輝かしいほど羨ましい。

華恵さんのように聡明でも大人びてもいなかったけれど、そこには中学生や高校生の頃の自分も見えるんじゃないか?と、注意深く行間まで物語を追う自分がいたりする。
それは、つまり、そうゆうことなんだろうなぁ。...今になって合点がいったり(笑)。
by tao1007 | 2009-01-28 10:14 | 読書する
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カラダもココロも休暇中

by tao1007
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