昨日、用事があって吉祥寺へいき、ついでに
ギャラリーfeveで開催中の松浦弥太郎氏の個展も覗いた。
私が吉祥寺に行く日は必ずここにも立ち寄るのが決まりだが、縁がないのか、なぜかいつも閉まっていて外から2階を見上げて、眺めて帰るの繰り返し。
今度は、きちんと調べたもんね。
しかし、このギャラリーに初めて足を踏み入れる日が、松浦氏の個展だなんて素敵じゃないかぁ。
この人の著作はどれも好きだし、「暮らしの手帖」は彼が編集長になってから、いっそう良い雑誌となったように思う。
外から眺めてもさほど大きくないだろう2階のギャラリーに、2人、3人ずれのひとが、どんどん吸い込まれるように上ってゆく。
私も、わくわくしながら階段を上る。
上りきれば、ヒカリがあふれる空間の中。
写真とメモとが「旅のスクラップ」のようにコラージュされていた。そして、その、それぞれに短いキャプションが付く。
...文筆家というより、編集者らしい作品だなぁ。
奥にはその本人がいて、楽しそうに不思議な作業をしていたりする。
小さな冊子を開いた上に左手を置いて、それを色鉛筆でなぞる...というような。
ふふふ、個展カタログにサインをしていた...ということでした。
その「サイン」は、カタログの最終ページ、「旅に出かけるのに、宮澤賢治の本とカメラを忘れたことがない。」で始まる短文の上に無造作に描かれていて。いつものように、まっすぐな文章は、読者である私のココロもまっすぐに打つ。
カタログを購入し、その本人から手渡され、少し会話を交わす。
40歳を越えた男性が、どうしたらこうまでまっすぐなまなざしを維持できるのかしら?と思うほどに目が印象的だ。
こんな目に見守られて作られた雑誌は幸せだなぁ。
「暮らしの手帖」の最新号を買って帰ろうとふと思ったりする。