清澄白河に打ち合わせに出かけた。
その帰り、ふと駅前の地図を見て現代美術館の最寄駅だと気づいたのは何かのお告げか?
ともかく、岡本太郎氏の壁画「明日の神話」のことを思い出した。
もちろん、現代美術館まで戻って、コレを見る。
初公開は、昨年の4月末。
当時のニュースでは、この広い展示場が観賞する人々で大混雑していたはずだが、今日は気持ちよいほどすいている。
大阪万博の「太陽の塔」が制作されていた1960年代後半。
この壁画は、ほぼ同時期に、メキシコのホテル・ロビーに飾るため制作されたものの、資金困難からホテルは未完成のまま放置。
「明日の神話」は、その壁からはずされ忽然と消えた。
30年後の2003年9月、メキシコシティ郊外の資材置き場で発見されたとき、雨ざらしに近い状態で置かれた壁画は損傷し、汚れ、現状をとどめてはいなかった。
壁画の素晴らしさは言わずもがなだが、美術館のアーカイブにて、ひっそりとオンエアされていた修復のドキュメンタリーフィルムが感動的。
あたりに誰もいないことをいいことに、思わず涙したりして...。
岡本太郎さんの大きな「思い」で生み出された「アート」の力が、その後、何人ものひとに継承されて、その存在感は、さらにどんどん大きくなってゆく...その凄さ。
目の前の巨大壁画は、関係するひとびとの見えない「思い」を纏い、なんだか、もっともっと大きく見えた。
展示は、6月29日まで延長され、その後、2011年までに、渋谷のJRと井の頭線をつなぐ通路に恒久設置されるのだそうだ。