冬の午後はあっという間に暮れなずみ、見上げれた空は青というより蒼空。
ポツンと白い月が居た。
おやおや、鬼も居るねぇ...。
こっちにも。
怒ったお顔がダークな午後の月蒼空に映え、怖く、恐ろしく。
なにか不吉な感じすらするけれどそれは、感じる私の浅薄なココロがそう思わせる。
鬼は、こうして天にいちばん近い危険な場所に居て、猛々しくも魔よけとなって何を守る?何から守る?
屋根は、上野の博物館とか芸大正木記念館とかで、建物の中には「古い歴史」とか「美」とかが眠っているけど...はてさて。
ところで、鬼瓦を造る職人を「鬼師」と言うんだそうだ。
とてつもなく強靭なココロがなければ勤まらない仕事...というイメージを纏った言葉。
平成なんて弱そうな時代には廃れそうな仕事に思えたけれど、ちゃんと存在するんだそうだ。
もうすぐ冬至。
たとえてみれば、「草木も眠る丑三つ時」の語感にも似ていちばん暗くて深い一日。守りの側についた鬼...が活躍するにもっともふさわしいような。
さて、猛々しくも魔よけとなって何から守る?ひょっとして人間から...だったりもして...。
ありうるね。