上野桜木の群言堂からお連れした天神様。
群言堂の発祥の地・石見銀山のある島根県出雲地方に古くから存在する工芸品なんだとか。これは、それを原型にして作られた「群言堂」オリジナルバージョン。黒・青・白・緑...と色合いも美しく飾られた中から、かなり迷って黒を選ばせていただいた。
さて、帰宅して、この天神様を、ネットで調べたところ、正式には、出雲五色天神と言うそうで、先の色に「赤」を加え、黒・青・白・赤・緑の五つあって、それぞれ別の意味を持つ存在なんだって!なぁ~んとぉ!
五つの色は、儒教の教えである「五常の礼節」により、人が守らなければならない五つのルール「仁義礼智信(じんぎれいちしん)」を、それぞれあらわしているのだとある。
ちなみに、私の天神様は黒。
黒は、「仁」=思いやりの心 憐れむ心をあらわすのだとか。
黒を選ぶ前に、赤があったらいいのになぁ...という思考が脳裏を掠めたもんで、そっちの色は何を表していたわけ?と調べると、「智」=正邪を正しく判断すること 善いこと悪いことを論じる心とある。 ふーん、白黒はっきりさせたい気分だったのかしら?
...いや、別に占いじゃないし...。
ついでながら、その他の色があらわす意味は以下。
青は、「義」=世のためになる人としての道 不善を恥じ憎む心。
白は、「礼」=礼儀正しいこと、謙虚、感謝の心 へりくだり人に譲る心。
緑は、「信」=嘘をつかないこと 信念・信条。
全部そろえたくなってきちゃったじゃないの。
さらに、よくよく調べると。
この出雲五色天神が復元されたのは、1970年なんだとか。
おや、思いっきり現代なのね。
暮らしのなかで愛玩されていたのは、江戸中期頃で、以降、世間からその姿を消してのち、ずーっと「幻の天神」と言われて人々の心の中にのみ生きてきた。ある日、幕末に建てられた商家の改築の折に発見され...という、ややドラマチックな逸話を持つ。
それをもとにの五色に彩り古式にのっとって復元されたのだとか。
ああ...やっぱり、全色お連れしたいなぁ....。
しばらくは、おひとりここにいていただこうか。
...いや、やはりこっち?
五つ一同に介した暁には、どこにいていただこう...って...やっぱり、あと四つ買うの?私。