花木栽培を生活の糧とする農家が、少しずつ花の苗木を植えていつしか様々な花で満ち溢れる場所となった、東北の街に忽然とある桃源郷...。
その場所へゆく。
こんな感じの桜のトンネルを登ってゆく。ソメイヨシノとは違った高さのない品種の桜。ずんずん上ると、どんどん桜だらけになって...。
するとスコーンと空が抜けて見える場所に出る。
「ほら後ろをみてごらん!」と、一緒に上ってきた見知らぬひとの声につられて振り向けば...。
ああ、確かに桃源郷があった。
ここを創ろうとしたのは、安部氏という個人で、自分の所有する山に何年もかけて少しずつ花の苗を植えた。いつしか、周辺の農家もこの試みに賛同し、少しずつ、花々は増えていった。
とにかく美しい光景を創ろうとした、望みはたぶんそれだけだったろう。
この東北の街で、桜の開花宣言があると、駅とこの場所を繋ぐ臨時のシャトルバスがボランティアの手で運行され、多くの人がここを訪れる。私もそのバスに乗ってきた。すると、バス停付近には、観光バスも停車中。なんと! 全国からもひとが運ばれ、臨時のみやげ物屋がにぎわっている。どこからこんなに人が沸いて出たか?とも思えるけれど、季節ごとに違う花で飾られるここも、桜の季節以外は静かな田舎街なのだとか。
とにかく、しきりに残念だったのは、おにぎりとお茶を持ってきて、この風景をおかずに昼食がしたかった...ということ。すみません、俗人ゆえの花より団子です...。うふふ。
そして、明日は、イーハートーブの街に行こう。...と思ったのもこの風景のせい。