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ココロはいつも休暇中



イヴォン・シュイナードというひと。

イヴォン・シュイナードというひと。_f0108825_2221152.jpg一瞬、ブロンドでグラマラスな美女を彷彿とさせるような美しい名前。実際、こどもの頃には、女の子の名前のようだといじめられたのだとか。彼は(この名を持つ人は、男性で)、今号の「coyote」の表紙を飾る、いかにもアメリカのおっさんといった、ブルーのチェックのシャツのひと。

彼こそが、アウトドアブランドのパタゴニアの創業者兼オーナーだ。



昨年の5月ごろ、パタゴニアを特集したTV番組を偶然観て、それからずっと私は、このひとに興味を持ち続けている。

パタゴニアは誰もが知る著名なアウトドアブランドだが、決して市場に上場しないのだそうだ。急激な会社の成長を望まないアメリカ企業...こう表現してみると、今時ならあまりにも矛盾を感じる文脈であって、しかしその理由を知れば非常に新しく重要な考え方とも思う。
イヴォン・シュイナードは、「企業はいったい何のために責任を持つべきか」とずっと考えつづけ、「企業は地球に対して責任を持つべきだ」という答を得た。
急激な成長は地球を汚す、しかし、汚れて死んだ地球には、株主も、顧客も、社員も生きられない。だからもちろん利益など到底生まれない。
だから、パタゴニアは上場をしないのだと。

coyoteの特集は、クライミングやサーフィン、スノーボードなどのアクティビティの達人としても知られるイヴォン・シュイナードのフライフィッシングに同行し、フィールドの極意を教わるというもの。悔しいけど買わねばなるまい。
coyoteは、もともと私の大好きな雑誌のひとつで、創刊号こそ購入をしくじったが、隔月というゆっくりしたサイクルも気に入って欠かさず読んでいたもの。しかし、前号から月間となって、そのあわただしさがいやで購入をやめたばかりだった。しかし、シュイナード氏の生き方や考え方の中に、「仕事とは?」という、この間私がずーっと答を探していることに対する、ヒントのひとつやふたつは隠れているはず...とそう思えるものだから、数日悩んだもののけっきょく購入してしまった。うーん、侮れない雑誌だ。

ところで今日....。

昨年末からの殺人的な仕事も一段落。その打ち上げを兼ねて、関係者での夜ご飯をその多忙の原因だった再開発の街にて...。取材のときは絶対美味しいと思っていたあるお店の味にちょっと疑問...。企業が作為的に作った街は、やはり何も生まないとふと思う。高い家賃=急激な成長に繋がる利益の一端は、食文化の正しい位置も揺るがしてゆく...。うーん。
たぶんここのレストランには当分行かないだろう、というより、もうこれ以上がっかりしたくないからいきたくない。

大きなプロジェクトを動かす企業こそ、その責任を真剣に考え、それを果たして欲しい。きちんとした思想を持って欲しい。イヴォン・シュイナードのように...。
地球同様、文化も一度汚れて壊れたらそうそう元にはもどらないのだから。
そう、強く思う。非常に強く。
by tao1007 | 2007-04-09 23:50 | つらつらと
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