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ココロはいつも休暇中



古いようで新しい、懐かしいようでこれからの話

古いようで新しい、懐かしいようでこれからの話_f0108825_23502355.jpg土曜、日曜は事情があってずーっと家にいなければならず、だから石田千さんの新刊をゆっくり読めた。
石田さんの本は、ほんのり和風だしが利いているような話が続いているから、忙しいときに読んではいけない。
その微妙な面白さを味わい損ねてただただ文字面だけを追ってしまうはめにおちいってしまう。それはあまりにもったいない。

このひとは、私と同世代...といってしまうとたぶんちょっと迷惑がるだろうなといった年齢差で若く、でもハンガーを「えもんかけ」、スーツを「背広」とか言ってしまうひとだろう、だぶん。
実年齢より、ちょっとだけ年上の感性を持ったひとなんだろうなぁとその著作を読むたび思う。

特に、食べ物の話が私は好きで、最初に読んだ「月と菓子パン」では、「すき焼きが終わったら、おからを入れると美味しい」とか「おからは冷凍すると一月もつ」という具合。「いろんな豆を少しずつ混ぜてゆでる」なんてのもあって、早速真似て楽しんだ。今回も、大根一本、皮をむいて輪切りにしたのを米のとぎ汁で炊き、おでんをしたあとのつゆに、おからが登場していた。

「悩んだときは歩くこと」...というのも、この著作を挟んで石田さんと確認しあったこと。「あー私もそういえば、いつも歩いているなぁ...考え事をしながら」という風に。

毎日、淡々と作って食べる。
ずんずん歩いて考えて、悩んだ先の明かりが見える。
古いことばを口にして、たぶん周囲は、ちょっと大げさに「あなた本当はいくつなの?」なんて突っ込みを入れるかもしれない。でもカタカナにはものの本質をバシッと伝える威力はないし、私は古くなったと思われている日本語を無意識でも使ってしまうひとに安心感を覚えたりする。

先日、デザイナーという職を持つ人が、ベビーカーを「乳母車」と言ったのを耳にした。ちょっと笑ってしまいながらも、それまでの仕事上のいざこざイライラをぜーんぶ「まぁいいかぁ」と思えたことを思い出す。

古くて懐かしいイメージの言葉やお話は、現在のゆがんでしまった世の中を正しいところに持っていってくれる力を持っているかもしれないよ。
....なーんて思ったりもする。
by tao1007 | 2007-03-12 23:29 | 読書する
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カラダもココロも休暇中

by tao1007
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