福島の駅から東口へ出ると、目に入ってきたのはこの看板。
そうそう、若冲のコレクターで有名な米国人・ブライス夫妻の特集をどこかのTV番組でやっていて、東日本大震災の復興支援で若冲ほか、主だったコレクションで、岩手、宮城、福島限定の展覧会を開く...って情報。
うっすら聞いていたような...。
とにかくラッキー!
さっそくとるものもとりあえず、福島県立美術館へ向かいます。
混んでるんだろうなぁ...と思いつつ。
で、混んでました。
展覧会というより、美術館の駐車場!
私は、100円の周遊バスで来たんですが、そっちはガラガラ。
この地はしっかり車社会なんですねぇ。
でも、駐車場の空きが出るまで、運転手(主におとうさん)は、美術館に入れずじまい。
家族や、同行者のみ先に若冲鑑賞にいそしみつつ、会場の真ん中ぐらいで
「おとうさん。まだ駐車できないのかしらぁ...」とぼやく、家族と思しき方々にずいぶんと出会いましたもの。
皆様その後、無事、若冲には出会えたんでしょうか?
一方、会場内は、どちらかといえば空いている印象。
いや、実際は、この美術館の展示としては大盛況。
それでも、東京の展覧会を慣れてる私としては、鑑賞を邪魔するほどのものではありません。
東京って、どんだけヒトが多いんだろうね。
さて、若冲ほか、江戸後期の画家たちの作品ですが、なんかシンプルに解りやすく、馴染みやすく。
眺めていれば、どれも非常にリラックスできるものばかりなのに、ややびっくり。
江戸期の絵画は、私の好みとするジャンルで、これまでもあちこちで嬉々と見てきたように思うのですが、こうした安心感がかもし出されているものって...なかったような。
不思議です。
ある意味アメリカ人の趣味で集めたものが、現代の私たちの嗜好にも通じているのかもしれません。
しかし、江戸の画家たちは、ほんとうに自由で面白いです。
絵を描いて稼ぐとか名を成すとかではなくて、目に留まったり噂を聞いたりした中で興味あるものを貪欲に追い求め表現したという、まっすぐ、シンプルな絵画。
あの時代。
質素に生きれば生きられて、代わりに人間にとっては、いちばん贅沢かもしれない、そんなコトが可能な時代でもあったんでしょうか。
この展覧会は、この先の私たちの暮らし方に、密かで大いなるヒントを与えてくれているような気さえしたのでした。
ちなみに、9月27日までやってるようです⇒
若冲が来てくれました