ココロはいつも休暇中



乃南アサの新作は、コレでシリーズ完結。

最初、物語が谷中だということで手にとった「いつか陽のあたる場所で」は、このシリーズの最初。
それが、2作目「すれ違う背中を」へ続き、思いがけずTVドラマにもなった。

物語は、主人公が罪を犯して出所した(普通の)女性2名という設定。
それもあってか、TVドラマは、原作よりも暗く深刻に描いていて、そこがピンとこなかったかなぁ。

本作のほうは、彼女らが、淡々と日常を過ごす中、小さな幸せをいとおしむ様子が、同じ街に住む私としては慕わしく。
そこに、過去の罪に対する気づきと、未来への希望みたいなものが、不自然でなく折り重なってゆく。
読者は、その流れに寄り添いながら、ヒトが何かから立ち直ってゆく過程みたいなものを感じたりする。
...そんな、物語の仕掛けみたいなところが、この作家の上手さじゃあないかなぁ。

だから、なぁんか暗いばっかりなのはなぁ。
TVは、エンディングも通り一遍だったしなぁ。
うーん。もう少しがんばれよ、TV!って感じでしょうか。
まあ、ロケ地が谷中近辺というのを楽しめたからいいんですが(笑)。

....っていうか、TVの話ではありません。
TVよりも、やっぱり原作のほうが良かったという話。

で、このシリーズも、本作「いちばん長い夜に」でいよいよ完結。
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そして、物語の終わり方が秀逸です。

前作2つは、ホンキで淡々と、大きな山場もなく読ませてきたものを、「いちばん長い夜に」は、東日本大震災を物語の中心にすえたのがまずは大きな違い。

しかも、なんだかとってもリアリティありまくりな描き様ですが、なぜ?
...と思ったら、作家は、2011年3月11日に、この物語の取材のために仙台にゆき、そこで被災したんだそうです。
なあるほどぉ。

そして、作家は、その日の体験をこの物語に取り入れなければいけないような運命を感じた。

この大きな事件は、私たちの考え方や生活スタイルを確かに変えたものだけど、主人公2人ももちろん。
そして、作家自身もそうだったはすです。

だからかどうか、ずっと、彼女らに寄り添ってきた読者としては、かなり納得のエンディング。
そして、その終焉の仕方が、そのまま読者の応援にもなっているような気さえします。

そして、読了して思うのは、この作家のほかの本も必ず読まなくちゃあなぁ...と。

ああ、いつもこうですよ。
1冊新しい本を読むと、読みたい本は、倍にというより、乗数的に増えてゆくかのようです。
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by tao1007 | 2013-06-22 11:27 | 読書する
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