ちょっと遅くなりましたが、『ビブリア古書堂の事件簿4』を楽しく読了。
内容的には、やはり本にはかなわないけど、世界観はTVドラマのほうが好みだったかな...などと思いつつ、とにかく、そうとうな読書家で無ければ知らないだろう江戸川乱歩のエピソードを堪能する。
いつもは、短編連作で、それぞれ違う古書の深い話が繰り広がってきたのですが、本作は、乱歩のみをテーマにした長編。こう来たかぁって感じで、この作家は、ホントに本が好き&その好きさに負けない力量もあってすごいです。
ちなみに、TVの最終回はこの本を元に作られたみたいですね。
ところで、江戸川乱歩。
実は、ちゃんと読んだことがないんですよねぇ。
でも、我が家に近い団子坂に古書店を構えていたという事実もあるし、近々何か読んでみようと思いつつ、お次は、ひさびさの小林信彦氏の新刊に手を伸ばしたりする。
作家・小林信彦氏が、編集者として日本のミステリー業界に関わっていた青春期を描いた4篇を集めた本『四重奏 カルテット』です。
冒頭の「夙川事件」は、全て実名で描かれた物語。
そこには、江戸川乱歩や谷崎潤一郎、横溝正史なんかの名前も登場し、しかも、江戸川乱歩が、小林信彦氏が若き編集長を務めた雑誌社の経営をしていたりする。
そーなんだぁ。
知らなかったぁ。
そして、なんと、江戸川乱歩つながりかぁ~!!
私は、小林信彦氏のファンかと思ってたけど、全然ちゃんと読んでなかったかも。
そして、ビブリア⇒カルテットにいたる偶然をふと。
もうこれは、江戸川乱歩をちゃんと読んでみようよという、本のカミサマの呼びかけに相違ないだろう。
さて、他の3篇「半巨人の肖像」「隅の老人」「男たちの輪」、すべて仮名による物語だが、小林信彦=今野、江戸川乱歩=氷川鬼道であることには違いなく、乱歩が編集長を務めた『宝石』や小林氏が編集長であった『ヒッチコック・マガジン』をとりまく、当時の人間関係が描かれる。
内容が本や雑誌や、編集者をテーマとした内容には個人的な思い入れもあるからというのもあるけど、やっぱり、小林信彦の小説は面白いなぁ。
と、プロフィールを見てやや驚く。
昭和7年生まれ...ということは今年80歳かぁ。
そうだよね、若い頃には江戸川乱歩がまだ生きてんだから(笑)。
でも、まだまだひとがんばりして欲しいな。もっと、当事の探偵小説のことなどを書いていただきたい!
...などと、にわかに、そのあたりのジャンルに思いが熱くなる次第。