「竜の柩(1)」高橋克彦 講談社文庫
近頃、手に取る本は、徹底して長い+結末が知りたいゆえに集中し倍速で読む=睡眠不足。
という法則にのっとって選んでいるかのようだよまったく...。
さて、
江戸の絵師たちが活躍するシリーズ最新作「源内なかま講」。それもそろそろ土用の丑の日だし、そろそろ積読状態から解放してあげなければいけないときというのはわかっていた。
(いや、主人公が平賀源内なんでね、土曜の丑の日にうなぎを食えといった張本人でしょ。まあ、本を読むのと関係ないけど。)
でもあるというのに、つい同じ作家・高橋克彦の別の本に手を出してしまった。
しかも、その長さたるや、少しでも先を縮めようと急いで読んでも、なんとシリーズ作が6巻。主要人物と設定はほぼ同じだが、展開がやや複雑なもので、一度にざっと目を通さないと、途中で「あれれこのひと誰だっけ?」ということにもなる。
しかも、そのシリーズ一巻は、日本の『古事記』『日本書紀』や『出雲風土記』、その中に書かれた寓話や神話を読み解きながら、「龍神伝説」を追って、津軽、信濃、出雲と列島縦断する話。主人公たちは、とある少数精鋭のTV番組制作会社のスタッフなのだが、バックにとてつもない大物がついていて、話は、OO7とかスパイ大作戦のテイスト&スケールの広さで展開しちゃう。
最初、パラパラと試し読みしたときは、日本の古い文献を探りつつ、神社めぐり...という、私の好みの話じゃん!と思ったものの、龍伝説の龍はロケットで、古代人が神とあがめたのは宇宙人のことだ...と、奇想天外な仮説まで飛び出し。もう私の好みをいっきに超えて面白さ倍増。
そして、やっと1巻を読み終え、さあ、仕方がない2巻を読むかぁ...と思ったら、今度はノアの箱舟の話。舞台が一挙に世界にまでひろがっちゃった。
...ああ、困り者です。
せっかく
、東野圭吾の読書をわが身に禁じたというのに、またも厄介な面白長編小説の登場。
寝られません。
これって、もう、一種の自虐...読書...ですかね。