上野公園の寛永寺清水観音堂の裏手にある、秋色桜。
しゅうしき桜と読むこの名前は、元禄時代に、日本橋小網町の菓子屋の娘、お秋が、若干13歳で詠んだ歌が由来になっているそうです。
井戸端の 桜あぶなし 酒の酔い
歌はこんな風で、上野公園の前身である、寛永寺境内のいずれかに井戸があり、その近くに咲く桜と花見客の賑わいを詠んだ歌。
歌は、お秋自身によって、桜の枝にそっと結ばれたものの、のちに江戸中で大評判になります。
秋色桜の名は、お秋からとったんでしょうね。
そして、歌が結ばれた桜がこの枝垂桜なんでしょうか?
実は、毎年、桜が散った頃にこの解説看板を読むばかりで、今年初めて眺めることが出来ました。
近寄ってみた花の様子は、まるで創ったようにきれいです。
そして、秋色というより、やっぱり春爛漫の春の色。
特に、あえて理由を見つけて、桜に特別な名をつける江戸人のセンスが、すごく好きです。