ココロはいつも休暇中



打ちのめされる

正岡子規の「仰臥漫録」読む。
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実は、我が書棚の片隅から発掘したものだ。
ずいぶん前に訪ねた根岸の子規庵が、まわりの喧騒から結界を作っているかのような佇まい。
その小世界があまり素晴らしく、何か子規に関連あるものが欲しくて発作的に買ったんだっけ...と思い出す。そのままページを繰って読み始め、夢中になって、そしてうちのめされた。

本書は、子規が亡くなる前年から2年間の間に書かれた日記。
長く結核を病み、やがて併発した脊椎カリエスによる排膿に苦しみ、亡くなる前年にはひとりで起き上がるどころか、寝返りも打てず、そのすべては仰向けになったまま描かれた。
だから「仰臥」。

日々は、食べたものと便通の回数、包帯取替えを淡々と記録しはじまり、終わる。そして、ほととぎすの仲間たちの来訪とおびただしい数の俳句。

時々、添えられた子規による絵が何かほのぼのとして、しかし、それを描いた子規の様子を想像すれば壮絶でもある。病床から眺めていた糸瓜だなは、現代の子規庵にもこんな風に存在する。
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絵は、時々、モダンな抽象画のように描かれていたり、ユーモラスな写生だったり。
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病状は徐々に進行し、体のあちこちにはカリエスによる穴と膿にまみれ。飲食したものはー好きなココアミルクであってもーカラダに吸収されず、1日何回も排便される。
死はあきらかに目前にせまっているが、日記には、暗さがなくて、かえっていきいきと生命力にあふれ、時にユーモアで満ちている。
過酷な病状の描写にまずうちのめされて、しかし、それでも俳句を読み続け、病床周辺の狭い世界に広い宇宙を見続けた正岡子規というひと。
「自分は何故生かされているのか」という世の役割を知ったひとのしなやかな強さに、もっともっと深くうちのめされる。
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by tao1007 | 2010-02-07 21:27 | 読書する
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