いつもの商店街に向かって路地を行けば、沈丁花にも似た甘い香り。いや、水仙かな。
角を曲がれば花屋があって、フリージアがびっくりするほど大量に...。
ああ、香りの素はあなたたちね!
ふと思えば、春の花って香りが似てませんか?
よくよくかぎ分ければ違いもあるけど、沈丁花も水仙も、甘く、ほんのり優しい香り。花自体は存在感を主張しないくせに、ふと気まぐれに香りだけを道行く人に飛ばしてみたり...。
急ぎ足をふと止めて、「どこどこ?どこにいる?」と、あたりをキョロキョロ探す通行人。春になれば、1日数人ぐらいは絶対いるはず。
香りの甘さは似ているような気がするけど、初夏のくちなしとか、初冬のきんもくせいの強い香りとも一線を隔す。あの、主張がないようであるような、最初漠然としていたものから徐々に輪郭が見えてくる感じ。
さてさて、この春の香りをお裾わけしてもらおうと、フリージアを数本。
部屋の中でも、忘れた頃にふっと甘い香りを漂わせ。
そのたび、「!?」と黄色い花に注意を向けて、しばし花を愛でる。
なんか、春の花のにもてあそばれてるみたいな感じですね。